チェンマイの廃寺を訪ねて

 チェンマイでは、街を歩いていると、崩れかけたチェディ(仏塔)や半分土に埋まった楼門が、打ち捨てられたようにたたずんでいるのをよく目にする。タイ語では「ワット・ラーン」と呼ばれるこうした廃寺には、かつて数多くの人が訪れ、現在のワット・プラ・シンやワット・スワン・ドークのように栄華を誇っていたものもある。
 ここではそんな廃寺を紹介するが、できれば朝早くか夕方に行き、静寂に包まれた中で“ワビ・サビ”にも通じるような雰囲気を味わってほしい。きっと、それまでとはまた一味違ったチェンマイの魅力が感じ取れるはずだ。






ワット・チェディ・プローン(チェンチョーム)


チェンマイ市内北部にある廃寺ワットチェディプローンの仏塔

 市内北部、チャーンプアック門からチョータナー通り(国道107号線)を北に進み、タニン市場のある交差点を通り過ぎて300mほど進んでタイ様式の屋根の付いた歩道橋の先の、廃寺の名を冠したその名もチェディ・プローン通りを入っていったところにある、比較的大きな廃寺。
 寺院の歴史は古く、1545年に著された「ヨーノク年代記」にも登場する。ジラプラパー王女支配下の時代、この寺院はチェンマイという都市の境界線上に...

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ワット・チェディ・デーン(ナイ)


チェンマイ市内北部にある廃寺、ワットチェディデーン(ナイ)

 チョータナー通りソイ40を入るか、もう1本西のソイを入ってもよい。
 ほとんど原形を留めていないレンガの山のようになったチェディがのこるだけの廃寺で、その上部には草だけでなく、小さな木までが伸びているという、ちょっと悲惨な状態だ。文献にもほとんど記述が残っていないが、当初はチェディ(仏塔)だけで16m*16m、高さ4.5mあったという...

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ワット・パーオーイ


チェンマイ市内北部、チャーンプアックバスターミナル近くにある廃寺、ワットパーオーイ

 問屋街(本や地図によっては、ここをエラワン市場と呼んでいるものもある)の中にポツンとチェディ(仏塔)だけが残された廃寺だが、珍しく基壇から頂上部までがきれいに残っている。チェディは典型的なラーンナー様式で、設置されている説明書きによると、この周辺では唯一残されたラーンナー様式のものだということだ。
 寺院は16世紀に建造されたと推測されるが...

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ワット・ロムポー


チェンマイ市内北東部にある廃寺、ワット・ロムポー

 お堀からワローロット市場へと続くチャモーイ通りソイ3を入ってすぐのところにある廃寺。ナコンピン橋から堀方向へタイワン通りを進み、突き当たったら右へ曲がり、すぐにソイを左に入っても行くことができる。
 アパートの駐車場の奥にあり、そこからだと停まっている車がじゃまをしたりして近づくのが困難な時もあるが、チャーンモーイ通りからソイを来て...

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ワット・ケトゥノーイ


チェンマイ市内北東部の一般民家の中にある廃寺、ワット・ケトゥノーイの写真

 ピン川の東側、リバーサイドやザ・ギャラリーといった有名なレストランが立ち並び、旅行者も多数訪れるチャルンラート通りからほんのわずか奥に入ったところの民家の敷地内に建つ、ほとんど崩れかけた廃寺。
 一般の人の家の中にあるので普通は近づけないのだが、自分はたまたまこのすぐ近くに実家のある友人がいて、この家の方と知り合いだと...

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ワット・パン・サオ


市内西部、スワンドーク病院の中にある廃寺ワット・パンサオの写真

 チェンマイ最大の総合病院であるスワンドーク(マハーラート)病院の敷地の中にある廃寺。病院の中、というとちょっと訪れにくい雰囲気があると思われるかもしれないが、この廃寺の前を通る道は、シリマンクラーチャーン通りからお堀沿いに、ステープ通りを通らずに出れる抜け道となっていてバイクなどが頻繁に通るので、あまりそういった心配は必要ない。
 以前は荒地のような状態の土地にチェディ(仏塔)が...

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ワット・フォーンソーイ


お堀の内側、チェンマイ門市場の裏手にある廃寺、ワット・フォーンソーイの写真

 お堀の内側南部、チェンマイ門のすぐ近くにある廃寺。チェンマイ門市場のちょうど裏手にあたり、細いソイに面していて大通りから見えず、また規模も小さいためほとんど目立たずひっそりと建っている、というカンジだ。
 寺院の名前は、直訳すると「鶏の頸の毛の束」という意味なのだが、その由来や寺院の建設と廃寺となった経緯については...

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ワット・チェンコーン


堀の南側、チェンマイ門のまん前にある廃寺、ワットチェンコーンの写真

 チェンマイ門南のにぎやかな商店街の中に、ポツンと取り残されたようにチェディ(仏塔)だけが立つ廃寺。チェディの両脇ギリギリまで商店があるため、注意していないと気づかずに通り過ぎてしまうかもしれない。
 今からおよそ350年前のタイ暦2100年代終盤、ラーンナー王朝末期に建立されたと推測されるが、その後数々の改修が重ねられており...

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ワット・チェット・リン


堀の内側、プラポククラウ通り沿いにある廃寺、ワットチェットリンの写真

 仏像が現存している数少ない廃寺のひとつで、現代の名刹ワットチェディ・ルアンからも200~300メートルなので、気軽に訪れることができる。簡単な英語の説明書きも設置されている。
 通りに面した部分は芝生になっており、その奥の大木に隠れるようにして仏像が、さらにその裏側にチェディが残っている。
 この寺院の起源ははっきりとはしていないが...

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ワット・クー・カーウ


チェンマイ南部郊外、チェンマイ-ランプーン通り沿いにある廃寺、ワットクーカーウの写真

 今からおよそ350年前のタイ暦2186年建立。当時、この場所はチェンマイとラムプーンの境界になっており、それを示すためにチェディ(仏塔)とヴィハーン(本堂)が建設されたと言われている。ちなみに、現在でもここはムアン郡とサーラピー郡の郡境にあたる。
 史料によれば、かつて、この寺院には「カープラ」(借金が払えなくなり、その返済のために債権者のもとで働いていたが、その債権者が寺院に...

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ワット・ノーン・ロム


チェンマイ市内東北部にある廃寺、ワットノーンロムの写真

 今からおよそ400年前のラーンナー王朝がビルマの支配下に入る直前、タイ暦2100年代に建立された。現在は、2方向をソイに囲まれた小さなスペースに、チェディ(仏塔)だけが残っている。
 もともとは、完全なラーンナー・タイ様式のチェディだったのだが、スコータイの影響を受け徐々に改築が進められ、その結果下半分はラーンナー・タイ、上半分はスコータイ様式という、2つの文化が交じり合ったスタイルと...

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ワット・タートゥ・クラーン


チェンマイ門から南に伸びるスリウォン通り沿いにある廃寺、ワットタートゥクラーンの写真

 スリウォン通り沿いには、このワット・タートゥ・クラーンをはじめいくつかの廃寺が集中しているが、チェディ(仏塔)はここが一番大きくて美しいと思う。
 このチェディは、14世紀にスリランカの仏教学校からラーンナー・タイ王国に移住してきた僧が、蓮のつぼみをモチーフにデザインしたと言われている。昔のチェンマイ市内には、同様のデザインを施されたチェディがいくつもあったらしい...

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ワット・ファン・サート


チェンマイ市内北部、チャーン・プアックバスターミナルの中にある廃寺、ワットファンサートの写真

 文献にはまったく登場せず、歴史などはほとんどわからなかったが、1986年の修復の際に調査が行われ、写真の仏塔の中に、もうひとつ小型の円形の仏塔があることが判明した。そしてその仏塔が、マンラーイ王(ラーンナー・タイ王国創始者)時代の典型的なスタイルであることから、極めて初期のラーンナー・タイ様式であることが確認され、古い歴史のある寺院であることがわかった。
 今見ることのできるチェディ(仏塔)は...

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ワット・ヤーン・クワン


チェンマイ市内南部、スリウォン通り沿いにある廃寺、ワット・ヤーン・クワンの写真

 建立の時期は不明だが、第2次世界大戦の頃に廃寺となった。現在は、右手に基壇のレンガがむき出しになったチェディ(仏塔)、左手のトタン屋根の中に仏像が残っているだけだ。
 今から約100年前、タイ暦2440年に出された書物によれば、この一帯にはタイ・ヤイ(シャン)族の移住者が数多く住んでおり、もともとあったこの寺をタイ・ヤイ様式に改造し、故郷のチェントーン(現在のビルマ・シャン州の州都)...

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ワット・チェディ・デーン(ノーク)


チェンマイ市内北部にある廃寺、ワット・チェディ・デーン(ノーク)の写真

 市の北部、チェンダーオ、ファーンへと続くチャーンプアック通り(国道107号線)沿いにある廃寺。ほかの多くの廃寺と同様にチェディ(仏塔)がひとつのみ、それも写真のように上半分は消失してしまった状態で残されている。このチェディは、基壇が2つ積み重なっているところが大きな特徴となっており、その形状からタイ暦21世紀以降の建立であると思われる。また、残存してる部分から、上部のルアンタートゥ(仏塔の最重要部分で...

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