清邁甘味天国(ChiangMai Sweet Paradise)

プリンス・ロイヤル・カレッジ校門向かいの豆乳屋台


場所:ケーオナラワット通り沿い。ピン川にかかるナコンピン橋からアーケードバスターミナル方面に向かい、歩道橋を過ぎてさらに少し進むと左手にプリンス・ロイヤル・カレッジ校門、右手にいすずのディーラーが見えてくる。店は、そのディーラーの隣のガソリンスタンドの敷地の中に出る。橋から700~800m、バムルンラート通りとの交差点からだと100mほど。



チェンマイ市内北東部、プリンスロイヤルカレッジ校門向かいの豆乳屋台の写真 主に中国系タイ人の間では、早朝や夜遅くにパートンコー(油條(条)……中国風の揚げパン)と一緒に豆乳(ナムタオフー)を飲む習慣があり、チェンマイでもあちらこちらでその屋台を目にするが、2003年ごろにオープンしその味のよさからたちまち人気となり、現在ではオープン前から客が集まってくる人気の店がある。
 街の北東部の、観光客はあまり訪れないエリアにあるこの店は、上記の通りガソリンスタンドの敷地内に夕方の6時に店を開く。店は黄色の装飾が施された豆乳を作る屋台の部分、パートンコーの生地を伸ばして揚げる調理場と4つほどの座席が作られた緑色の屋根がかけられた部分で構成されており、“屋台”というよりも空き地に出るひとつの店舗と言ったほうがいいかもしれない。
 メニューは、当初は豆乳とパートンコーだけだったのだが、最近になって中国風のデザートのようなものも出すようになっているほかしばしば新商品が登場しており、店主の意欲の高さがうかがわれる。豆乳を作っている屋台のガラスには、タイ語でメニューが掲げられているが、その主なものを紹介すると
 *ナムタオフー(豆乳)……普通4B、テイクアウト用ペットボトル入り8B、ミロ入り・コーヒー入り各10B
 *タオファー(豆花)……普通8B、銀杏入り20B
 *ブアローイナムキン(黒ゴマ餡入り団子)……15B
 *パートンコー(揚げパン)……2B
 *サンカヤー(緑色のタイ式カスタードクリーム)……5B
となっている。

チェンマイ市内北東部、プリンスロイヤルカレッジ校門向かいの豆乳屋台で売られている豆乳、パートンコーほかの写真 この店の最大のおすすめは、やはり何といっても豆乳だ。チェンマイ(タイ)の豆乳屋台は、飲みやすくするためなのか、それとも量を増やして利益率を上げるためなのかはわからないが、あらかじめ水を加えて薄めた豆乳を出すところが非常に多い。しかしながら、この店はそうした文字通りの“水増し”をおそらくほとんどしていないと思われる。その証拠に、豆乳を入れた大鍋の中には、時間によってはほかの豆乳の店ではまず目にすることのない湯葉ができており、希望すると豆乳と一緒にカップに入れてくれたりしてくれる。豆乳そのものは薄茶色をしており非常に豆の味が濃く、それでいて大豆特有のエグさや苦味がほとんど感じられない。
 なお、豆乳は“ワーン・ノーイ(甘さ控え目)”、“ワーン・タンマダー(普通の甘さ)”、“ワーン・マーク(甘~い)”、“マイサイ・ナムターン(砂糖なし)”のいずれかを選んで注文するが、豆乳の風味を楽しむためにはワーンマークは避けたほうがいい(この店ではワーンマークを頼むと「豆乳の味が壊れるのでお勧めしません」と言われる)。また、5Bの追加料金で卵や豆類などの具(4~5種類が用意されている)を入れることも可能で、一般の豆乳とはまたひと味違ったバリエーションを楽しむことができる。
 豆乳に浸しながら一緒に食べるパートンコーも、表面のカリカリとした歯ごたえと中のフカフカ、シットリ感が絶妙で、大きさもほかの店と比べると一回り大きいが、店の人の話では“香港スタイル”とのことであった。この店の中央部にある調理場では、いつ行ってもものすごい勢いでこのパートンコーを作っており、人気のほどがうかがえる。また、最近、パートンコーの生地を厚さ1cm、幅12~13cmに薄べったく伸ばして揚げた「カノムホンコン」という名前のものも販売を始めた。個人的には香港というよりも、ネパールに住んでいた時に食べたチベッタン・ブレッド(チベット風の揚げパン)に似ているような気がするが、パートンコーのように厚みがない分、中はフカフカしておらずボリュームがあり、小腹がへっている時などはこちらもお勧めできる。
 タオファー(豆花)は、最近日本のコンビニなどでも売られるようになった豆腐のデザートで、日本や台湾では甘い黒蜜がかかって出てくることが多いのに対し、ここでは熱いショウガ汁に鍋からすくった豆腐を浮かべたようなスタイルで供される。豆乳同様、豆本来の味がしっかりしている豆腐に、人によってはピリ辛いと感じるかもしれない熱いショウガ汁という取り合わせは、我々がイメージするデザートとは少々異なる味わいだが、特に暑い日の夜にこれを食べると、口の中がサッパリとした気分になってくるから不思議だ。
 「ブアローイ・ナムキン」は、ブア(ハス)・ローイ(浮かぶ)・ナムキン(ショウガ汁)という意味で、本来はブアローイというと“モチ米の粉を練った小団子を砂糖とココナットクリームで煮たもの”≪注≫を言うのだが、この店では黒ゴマの餡の入った直径2~3cmほどの団子をゆでて、アツアツのショウガ汁の中に入れたものをこう呼んでいる。そういった意味では、もしかするとこれも店主のオリジナル・スイートなのかもしれない。黒ゴマの餡は、日本のお菓子のようななめらかさはなく多少ボソボソした感じも受けるが、それを包むゴマをまぶしたツルンとした皮との取り合わせを考えると、これもまたいいものだと思う。なお、このブアローイ・ナムキンは大量に作るのがむずかしいのか、開店直後に行っても少ししかなく、売り切れていることも多い。

チェンマイ市内北東部、プリンスロイヤルカレッジ校門向かいの豆乳屋台の席の写真 席に座って豆乳とパートンコーをいただきながら店の様子をながめていると、いつ行っても次から次へと客がひっきりなしにやって来て豆乳とパートンコーを買っていく。多くはお持ち帰りで、それも豆乳7つにパートンコー12個とか大量にオーダーしている人が目立つ。おそらく家族みんなの分なのだろう。そんなこともあってとにかく店の人は忙しそうにしているが、店主の男性を含め店の誰もが(兄妹で店を切り盛りしている)いつ行っても愛想がよく、客とにこやかに会話を交わしながらもパートンコーを揚げたり豆乳を袋に詰める手を止めることはない。また、時々サンカヤーをサービスしてくれたり、「これ、試しに作ってみたんだけど、食べてみて感想を聞かせてくれ」とか言って、開発中の新商品候補(?)を味見させてくれたりもしてくれる。そんな店のみんなのもてなしの気持ちのようなものが感じられることも、自分にとってはこの店の大きな魅力のひとつとなっている。

 自分はかなりの豆乳好きで、これまでにも何ヶ所かお気に入りの店があったのだが、ここの屋台を知って以来、ほかの店はまったく利用しなくなってしまった。自分にとってはそれくらいインパクトのある豆乳であった。また、何度か友人・知人の家に豆乳やパートンコーを持って行ったこともあるがどこでも大評判で、中には「お前がチェンマイにいない間にも飲みたい(食べたい)から、店の場所を教えろ」とか言われ、バイクでわざわざ案内したこともある。長年チェンマイに通い続けているが、そのようなことを言われることはめったになく、こうしたことからもこの店に対する評価がわかってもらえるのではないかと思う。
 聞くところによると、この屋台をやっているファミリーの実家はサンサーイ(チェンマイ東北の郊外にある街)で豆腐屋をやっているそうで、その豆腐屋をやっているお父さんも時々店に来ていることがあるが、それがこれだけの味を作り出すことのできる秘密のひとつなのだろう。

 営業時間は18時から22時となっているが、売切れ次第閉店してしまうので、行くなら早めをお勧めする。日曜定休。
【2017年4月写真追加】

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 2009年の冬、新商品としてマントムキンが登場した。名前の通り、サツマイモ(マン)をショウガ(キン)で煮た(トム)もので、寒い時期だけの限定商品だそうだ。熱々のショウガ汁とよく煮込まれたホクホクのサツマイモの取り合わせが日本人にとっては新鮮な味わいで、身体を温めたい時や風邪をひいた時には特にいいだろう。
 
≪注≫養徳社「タイ日辞典」P973



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