ロングステイ(長期滞在)関連情報

日本からタイの銀行口座を開設する(クルンシィ銀行)


≪注≫
この記事は、管理人の経験を記したものです。内容の正確性などについて、いかなる保証をするものではありません。


日本からタイの銀行口座が開設できるクルンシィ銀行のパンフレット 2015年1月、三菱東京UFJ銀行は自行のバンコク支店と子会社のヤユタヤ(クルンシィ)銀行を統合した。
 アユタヤ銀行(Bank of Ayudhya PLC)はタイの大手商業銀行のひとつで、華系財閥のラタナラック家の資本のもとで1945年に設立されたがバーツ危機以降経営が悪化、2006年にはGEキャピタルの出資を受けた。そのGEキャピタルが今度はリーマンショックで債務の米国政府保証を受ける事態となり親会社のGEが2012年に同行の売却を検討、三菱東京UFJ銀行が買い手として名乗りを上げ、翌年末に株式公開買い付けなどを経て翌年末に連結子会社とした。
 その後、タイ中央銀行の規制への対応や三菱東京UFJ銀行バンコク支店との協業関係の構築のため2015年1月の統合となったが、それに伴ってタイに進出しようとする、もしくはすでに進出している日本企業やタイ在住の日本人のためのサービスが大幅に強化された。その中のサービスのひとつとして、海外口座ご紹介サービス「クルンシィタイ・ベネフィット・パッケージ」が提供されている。
 これは、タイに駐在することとなった三菱東京UFJ銀行の取引先企業に勤務する日本人を主なターゲットとして、日本にいるうちに口座を開設、タイでの生活に必要となる資金を事前に日本から送金することを可能にするもので、現地で日本語サービスも受けられるなどタイでの新生活をスムーズに始められる、というものだが、サイトを見ているうちに“条件を満たせば、ロングステイヤーでも利用することが可能なのではないだろうか?”と思いたち、実際に口座を開いてみることにした。

≪主な開設条件≫
*三菱東京UFJ銀行の国内本支店に口座を持っている
*口座開設手続き完了後90日以内に、タイのクルンシィ銀行支店で口座の本開設手続きを行う
*口座の本開設手続き時にノンイミグラント・ビザを提示する

 この中で、ロングステイヤーにとって一番重要なのは、この口座を開設するためにはすでにノンイミグラント・ビザを持っていなければならない、ということだ。つまり、ロングステイのためのリタイヤメント・ビザなどの取得時におけるイミグレ提示用の銀行口座として使うことはできない点には注意が必要だろう。
 そのため、この口座開設サービスはすでにタイの銀行に口座を持っていてロングステイのためのノンイミグラント・ビザも所有している人が第2第3の銀行口座を開設したい、といった場合に有用だ、ということになる。
 また、もうひとつの問題として推測されるのは、日本にある三菱東京UFJ銀行を通じて口座が開設されるので、何かあった場合には日本の金融ならびに税務当局にタイ国内の銀行に口座を保有していることを把握されてしまう、という点だ。例えば、自分の死後に遺産相続争いが発生したらこの口座もその対象になりうる、あるいは万が一日本が財政破たんをきたして預金封鎖、資産税をかけて政府収入にする、などという事態になった場合にはこの口座も対象とされる可能性がある、というようなことが考えられる。いずれにしても、他人に知られたくない口座をタイに持ちたい、という場合にはこのサービスを利用するのは得策ではないように思う。
 なお、ほかの条件として「日本居住者」というのがあるが、これは必要書類を受け取るための住所が日本にあり、申込書類とともに送付するパスポートと運転免許証などの身分を証明するもののコピーがあればクリアすることができるので、自分のように一時帰国時に手続きをすれば、主な居所がタイ国内にあっても問題になることはないと思う。

≪口座開設の流れ≫
(1)インターネットで申込書類の送付依頼
(2)申込書類を記入、必要書類を添えて三菱東京UFJ銀行へ返送
(3)受理後、現地での口座開設支店・口座番号などが記載された書類を受け取り
(4)タイのクルンシィ銀行日本人サービスセンターで口座開設支店の訪問日時予約
(5)クルンシィ銀行の口座開設支店にて預金通帳ならびにATMカード受け取り

日本から口座開設が可能なクルンシィ銀行の店舗外観 詳細については、上記リンク先を参照していただければ詳しく説明されている。申込書類で特に記入上注意すべき点はないが、日本の三菱東京UFJ銀行で使用している印鑑でなければ受け付けられない、事前に口座を開く支店名を指定しなければならないことくらいであろうか。どこに支店があるのかは、こちらで調べることができる。
 あとは、必要に応じてタイのクルンシィ銀行日本人サービスセンターの担当者からメールで質問が送られてくるので、それに回答する。自分が口座を開設する時には、ビザの種類、タイでの職業や収入、事前に日本から振り込む予定の金額などをたずねられた。おそらくこのサービスがタイで駐在として働くことになった日本人向けなのでこのような質問が来たのだろう。また、事前に日本から必ず開設口座にお金を振り込まければならない、というわけでない(日本からの特にこうした大銀行からの送金はレートがよくない上に送金手数料も高い)ので、このような質問があった場合には現地にて口座の本開設時に日本からハンドキャリーして両替したタイバーツを預金する旨回答すればよい。
 ちなみに、このメールのやり取りをしたタイ人担当者の日本語は完ぺきだったが、後に電話した現地コールセンターのタイ人オペレータの日本語は正直言って銀行業務についてのやり取りをするレベルには達していなかった(アウトソーシングしているのかもしれない)ので、何かあったらメールで連絡を取ったほうが安心かつ確実だと思う。
 すべての手続きが完了すると、口座番号、現地支店での担当者名や手続きの手順などが書かれた書面が送付されてくるので、それを持ってタイに戻ってくることになる。

 タイの現地支店での口座の本開設手続きは、事前に日本人サービスセンターで予約した日時で行う。日本で受け取った書類に口座を開設する支店の担当者名が記載されているのだが、ローマ字表記のみのためそれを読んでもまず通じないだろうなあ……などと思いながら支店に行くとすでに話が店内に通っているのか、入口にいる警備の男性から「***にご用ですか?」と担当者名を言われてビックリ。カウンターに案内されると、すでに担当の女性が席にいて通帳なども用意されていた。
 自分の担当者、というか支店の行員はみな英語が堪能ではないようで、自分がタイ語を話すと「あ~、よかった」と言われてしまった(笑)その後はすべてタイ語での会話となり、通常の銀行での口座開設と同様必要書類へのサイン、パスポートの提示、キャッシュカードへの暗証番号登録などをして、その場で最初の入金を行った。
 なお、キャッシュカードはVISAのデイビットカードつきのもの(クレジットカードはワークパーミットがないと作れない)となるが、自分が別に口座を持っているバンコク銀行などと比較するとシステム面でまだ遅れているようで、インターネット・ショッピングではまだ使うことができず、実店舗で暗証番号を打ち込んだ場合にのみ使用できる。
 使い勝手であるが、クルンシィ銀行はタイ全土に600以上の支店と4,000台以上のATMがあり、チェンマイでも大きなショッピング・センターなどはもちろん、コンビニなどの脇などでもよくATMを見かけるのでお金をおろす分にはあまり困ることはない。しかも、さすがMUFGグループだけあって、ATMは完全日本語対応でバンコク銀行のATMよりもよりわかりやすくてしっかりとした表記になっている。ただ、まだ現金預け入れ機(ADM)の数はあまり多くないようで、支店内にもADMが見当たらないこともある。

 以前はタイで銀行口座を開設するのは大変簡単だったが、今はマネーロンダリング防止などの理由により、銀行によってはワークパーミットがないと拒否されてしまったりするらしい。上記の通り、これからリタイヤメント・ビザを取得してチェンマイに滞在しようと考えている人にとっては使うことのできないサービスであることや、バンコクにある日本人対応センター(支店)のカウンターを利用するのでなければ多少の語学力が最終的には必要となることを考えれば、このサービスを本当に必要とする人はあまり多くないのかもしれない。が、およそほとんどの手続きが日本にいる時に完結してしまうというのは、やっぱり便利なものだと改めて感じた今回のトライアルであった。
【2015年10月】



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