ロングステイ(長期滞在)関連情報

医療・健康関連


 チェンマイでロングステイするにあたって、大きな不安材料のひとつに医療の問題がある。自分のように現在は特段深刻な持病を抱えているわけではなくても、万が一病気になったら、あるいは怪我をしたら現地の医療レベルはどうなのか、言葉が十分できなくても適切な治療が受けられるのか、果たしていったいどのくらいの費用がかかるのか……など、考え出したらきりがない。
 幸いなことに、自分はまだチェンマイで一度も病院のお世話になったことがないので、当地の医療事情についてはここに紹介することができない(これからもできれば紹介できないままで済むに越したことはない)のだが、聞くところによると医療レベルは日本の病院に引けを取らず、また主要な私立の大病院には日本語通訳の方がいたりするようなので、それほど心配する必要はないのかもしれない。2014年には、東南アジア最大で海外各地からの患者を受け入れ世界最先端の治療を提供する市立病院のひとつ、バンコク・ホスピタル(SET上場)もスーパー・ハイウェイ沿いにオープンするなど、チェンマイの医療事情は確実に進歩していると思われる。フリーペーパーなどにはチェンマイ市内の病院リストや広告が掲載されているので、いざという時のために自宅にストックしておくと安心だろう。


■医療保険に加入する


≪注≫
この記事は、管理人がタイで医療保険に加入する際の見聞や体験をまとめたものです。内容の正確性などについて、いかなる保証をするものではありません。
医療保険の補償内容・保険料・加入条件などについては予告なく変更されますので、ご自身の加入にあたっては最新情報を十分納得がいくまで確認することを強くお勧めします。


 医療保険という観点で言えば、2~3か月程度までのシーズンステイであれば、日本で海外旅行保険に加入してくるのが一番いいだろう。また、日本で国民健康保険に加入している人は、こちらの主要な大病院で必要書類を揃えれば帰国時に治療費の還付が受けられるらしい。還付が受けられるのは日本の保険が適用になる治療や医薬品のみで、いったんチェンマイではいったん全額を建て替える必要があるようだが、それでも特に費用という点ではかなり安心だろう。
 自分は日本では国民健康保険には加入していないので、チェンマイでロングステイを開始するにあたっては、まず出発前に3か月間の海外旅行保険に加入してきた。そしてこちらに到着後、医療保険についてリサーチなどをして海外旅行保険が切れるのと入れ替えるような感じで当地の医療保険に加入した。
 現在、タイでは所得の高まりによって人々の間で一種の「保険ブーム」のようなものが起きており、テレビを見ていると日本とまったく同じパターンのCMがいやというほど流れて来る。まったくあてがないのであれば、それらの保険会社(多くは日本でも事業を展開しているなじみのある名前だ)のウェブサイトにアクセスすればたいていの場合英語のページも用意されており、補償内容や保険料などについて確認したりシミュレーションができたりするので必要な情報は入手できる。コールセンターも英語の話せるスタッフの直通電話番号が記載されているので、そこにアクセスして詳しい話を聞きたい旨相談すれば、たぶん対応してくれるだろう。なお、医療保険で使われる英単語は通常と意味が異なるものも結構あるので注意が必要だ(下記「参考:医療保険の提案書などに出てくる英語」参照)。

 自分は当地在住のお友達からご紹介いただき、タイで保険の販売代理業務を行っている複数の方(タイ人)とお会いした。これらの方は、日本の保険代理店と同様独立開業している個人事業主のような立場でビジネスをしているようだ。タイでも医療保険を提供する会社は複数あるので、できることなら複数の保険会社と販売代理契約を結んでいるエージェントの方からいくつかのプランを提案してもらって比較検討したほうがいいと思う。
 自分の条件や希望などを説明し、エージェントの方から詳細なご提案いただいたのは、AIA(American International Assurance)とBupa(British United Provident Association)という2つの保険会社のプランであった。AIAは、チェンマイではお濠の南西角に大きなビルを構えているのでよく名前を知っていたが、こちらによれば、元々AIGのアジア部門で2008年の金融危機で米国政府がAIGを救済した際に切り離されたとのこと。日本では日本生命と提携しているようだ。Bupaは日本人にはなじみのない社名だが、ウィキペディア(英語版)によれば、1947年設立の英国最大手の非営利健保会社で世界190か国に2,200万人以上の顧客がいるということなので、日本では知られていない(事業展開していない?)だけなのだろう。
 外国人でも、自分のようなロングステイヤーだけでなくチェンマイの企業や団体などで働いている人の多くが医療保険に加入するようなので、自分がお会いした方の一人は完ぺきに、もう一人の方もある程度の英語ができ、相談・提案説明・加入にあたって意思疎通で困ることはそれほどなかった。
 自分が提案をいただいた保険の内容(抜粋)を以下の表にまとめてみた。なお、プランを作成してもらうにあたって、自分の年齢・職業・収入・他の生命保険への加入の有無(補償額)、妻の居所・職業・収入などをたずねられた。



保険会社名 AIA BUPA
死亡保険 プラン名 AIA 20Pay Life New Personal Care Emerald08
補償内容 死亡時合計受取保険金 150,000THB 死亡または四肢切断一時金 60,000THB
入院保険    プラン名 H&S Plus Gold New Personal Care Emerald08
補償内容 室料&食事代 最高2,000THB/日 室料&食事代 最高4,000THB/日
ICUの部屋代・食事代&看護代 最高4,000THB/日 ICUの部屋代・食事代&看護代 最高5,000THB/日
診察代 最高1,200THB/日 診察代 900THB/日
退院時の薬代 最高1,500THB/入院 専門医診察代……手術あり 5,000THB
入院後30日以内の2回の通院治療代 最高1,000THB/回 専門医診察代……手術なし 4,000THB
入院時に外来患者として受けたレントゲン診断、臨床検査代 最高10,000THB/入院 治療代 40,000THB/疾病
事故後24時間以内の怪我外来治療代 最高10,000THB/怪我 緊急治療代 5,000THB
外来による腎臓透析、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療代 最高60,000THB/年 救急車代 1,000THB/疾病
思いやり死亡給付金 10,000THB 外科的治療代 50,000THB/疾病
備考 上記すべての最大補償額 1,000,000THB/年 上記すべての最大補償額 500,000THB/疾病
500,000THB/入院
1,000,000THB/重大事故
プラン名 Hospitalization Benefit  
補償内容 入院給付金 1,000THB/日
備考 最大補償額 500,000THB/年or365日/怪我
合計支払保険料 30,342THB 24,683THB


チェンマイの医療保険会社BUPAの事務所 実際には、補償内容(金額)によってこれ以外にもたくさんのプランがあるのだが、“病気やけがでチェンマイの病院にかかるならこれくらいあれば十分だと思う”というエージェントの方からのお話で、この2つのプランを比較検討した。
 チェンマイで、ということは、もしバンコクの大きな病院に行きたいということになった場合はこれでは足りないということだ。ちなみに、BUPAではバンコクの病院にかかる時にも十分補償で医療費をカバーできるプランが別に用意されており、補償金額(=必要な医療費)はほぼ2倍、保険料もほぼ2倍になっていた。
 また、重篤な状態になるなどで日本に帰国して治療したい、となった場合だが、病状によっては飛行中に体調が急変したりした時の責任を回避するため、航空会社が搭乗を拒否、もしくは家族・医師の付き添いを搭乗の条件にしたりことがあるようだ。なので、あまり気軽に「何かあったら日本に帰って病院に行けばいいや」と考えないほうがいいのかもしれない。

 この2社のプランを検討して、最終的に自分はBUPAの医療保険に加入した。理由はいくつかあるが、(1)BUPAのほうが保険料が安い、(2)現在の年齢で加入しておけば、70歳以上になっても加入し続けることが可能(会社によっては更新ができないらしい)、(3)BUPAのエージェントの方がAIGの代理店もしており、AIGが外国人向け海外旅行保険も取り扱っていることから、今後タイから旅行に出かける時にこのエージェントとの方とお付き合いしておくと便利、といったことがあげられる。
 また、AIAの保険代理店の方が英語で説明しきれなかった部分について同社のコールセンターに問い合わせたところ、「ワークパーミットがないとAIAの保険には加入できない(ロングステイヤーの保険金詐欺や保険金殺人などが起きたため)」と言われたのも大きな理由となったが、これについてエージェントの方は「そのような条件はない。コールセンターが間違っている」とのことであった。実際のところはどちらが正しいのかわからないが……。

 保険の加入にあたっては、日本と同様に申込書や健康状態などの質問書への記入、パスポートのコピーなどが必要となる。これらの書類はすべてタイ語・英語併記となっているので困るようなことはないだろう。質問書には病名などが書かれているためすぐ理解できないこともあるが、日本同様“いいえ”にチェックを入れてしまえば間違いない(笑)。補償は保険料を支払った時点から始まる(自分はエージェントの方とスケジュールが合わず、BUPAのオフィスに行って直接支払った)が、病気については支払後30日間は免責となるため、その間に病気になっても保険は使用できない。自分と同じように海外旅行保険と組み合わせて利用する場合には注意が必要だ(自分はそのため、20日間くらい無保険状態になった)。
 加入後しばらくすると、もし病気・けがで病院に行った場合に提示する、保険に加入していることを証明するプラスチック製のカード(病院には保険会社と結ばれているコンピュータがあり、このカードに記載された契約番号などを確認して支払能力が担保されてから治療にあたるらしい)や、提携しているタイ全土の病院が記載された冊子、契約書などがまとめられたファイル一式が郵便で送られてくる。

 実際に個人で医療保険に加入してみた実感としては、タイ語ができなくても何とかなるが、英語がある程度できないとかなり辛いと思われる。が、それはイミグレーション・オフィスをはじめとするさまざまな公的機関での手続きなどでも同じなので、総じてタイ語よりもむしろ英語の能力のほうがロングステイ・ライフを送るためには重要かもしれない(お金をかけて通訳を雇ったりすれば話は別)。もしハードルが高いと思う場合は、日本の海外旅行保険でも半年や1年の長期間プランがあるので、それに加入してくるといいだろう。ただし、保険料がかなり高くなるし、海外から更新(延長)はできず契約が切れるたびに帰国しての再加入が必要だ。また、一度保険を利用して治療などを受けてしまうと、次からの加入が難しくなるという話を聞いたことがあるが真偽は不明だ。
【2015年4月】

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2年目の更新(保険プランなどは変更なし)は、25,327THBであった。
【2016年6月】

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 年間契約満了のおよそ半年後に、BUPAから保険を利用しなかった還付金として、2,392.80THBの小切手が書留郵便で送られてきた。
 払い出し人は香港上海銀行になっており、チェンマイには支店がないのでコールセンターに問い合わせたところ、どこの銀行でも受け取りが可能とのことで口座を持っているクルンシー銀行の支店に行き手続きをした。直接現金を受け取ることはできず口座に入金する形になるとのことで、通帳を見せるように言われたが身分証明のためのパスポートなどは不要。手数料は無料でまるまる全額が即時入金された。
 保険会社では契約時には還付金についての説明はなかったので、予期しないちょっとした臨時収入であった。
【2016年9月】

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3年目の更新(保険プランなどは変更なし)は、24,959THBであった。
【2017年1月】

≪参考:医療保険の提案書などに出てくる英語≫

 Non Participating……無配当
 Sam Assured……合計受け取り保険金
 Premium……保険料
 Disability Indemnity……後遺障害保険金
 Riders……付加事項
 Waiver Of Premium……保険料の免除
 Confinement……入院
 Admission……入院
 Consultation……診察
 OPD……外来診察部門(Outpatient Department)
 Outpatient……外来患者
 Diagnostic……診断
 Laboratory Tests……臨床検査
 Miscellaneous……種々雑多な
 Benefit……給付金
 Policy Year……保険年度
 Compassionate Death Benefit……思いやり死亡給付金
 Hospitalization Benefit……入院給付金
 Reimburse……払い戻す
 Deductible……控除できる
 Insurance Policy……保険証書



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