tpnさんの“タニン市場での揚げパン修行日記”(2)


第2期


■7月16日 火曜日……カーイディー(よく売れる)


 さて、本日から豆乳屋さんのお手伝い再開しましたので、報告します。
 日本から、3種類のおみやげを持ってきました。
   1.ふりかけ5種類*2個……100円ショップで買いました。
   2.真空パックのいかめし……空港で買いました。
   3.小さな招き猫……正統派ではないけれど、地元の猫グッズショップで購入。
招き猫 気になったのは、食べ物はともかく招き猫が受け入れられるかどうかということでした。
 それでは、結果報告。
 ふりかけは、その場で味見(のりたまバージョン)してもらいました。おとうさん、後ろのカーオマンガイ屋さんの兄ちゃん、そして、毎朝来る中国系タイ人の奥様。正直言いまして、あまりおいしい顔はしませんでした。
 でも、僕の顔を見る時は、にっこり「おいしいよ。」と言ってくれました。ご飯にかけないと、やはりだめなのでしょうか。奥様は、緑黄色野菜バージョン持っていかれました。
 いかめしは、お父さんが食べ方をしきりに聞くので、カーオマンガイ屋の兄ちゃんに通訳してもらいました。こちらには相当喜んでいただけました。
 招き猫の方は、お母さんが大喜びしてくれました。そして、豆乳を売る台の上に置かせてもらいました。「猫の手の真似をして、お客さんが来てくれるということだ」と伝えました。
 偶然なんでしょうが、その日はいつもより忙しくて、お父さんもいつもより多く生地を使わなければいけない状態でした。とりあえず、みんな喜んでくれてよかったです。
 お手伝いの方は、忙しかったので、揚げパンをひっくり返すのを4回ほど行いました。お父さんから、「クイック、クイック!」と声が飛びます。12日ぶりなんですが、手が思うように動かないような感じでした。明日からも、またお手伝いさせてもらえそうです。
 椅子にお父さんと並んで座っていると、お父さんの友達の果物屋のおじさんがやってきました。お父さんは椅子を出して、得意そうに「シットダウン。」と言います。おじさんは、意味不明のタイ語でウニャウニャ言って笑っています。それを見て、僕も笑ってしまいます。
 お母さんが振り向いて一言、「カーイディー(よく売れる)。」と言いました。僕は、招き猫の手の真似をして見せると、お母さんは両手で手招きをして見せました。
 とりあえず、復帰第1日目はこんな楽しいカンジで終了しました。

追伸:カ-オマンガイ屋の兄ちゃんから、「日本語を教えてほしい。」との話がありました。「いくらだ?」と聞くので、「金はいらないよ。そのかわり、タイ語を教えて時々どこか遊びに連れて行け。」と答えると、話はすぐにまとまりました。バイクの後ろに乗せてどこでもつれてってくれるそうです。今回は長めに滞在できるので、のんびり教えますよ。




■7月17日 水曜日……招き猫はどうなったか


 今朝は何だか体調が悪く、いつもより遅めに起きました。と言っても、6時過ぎには競技場の周りを走り、いつものメニューをこなしました。そして、豆乳屋さんへ向かいました。
 いました。いました。黄色の招き猫が。しっかり、お客さんを招いていました。お母さんありがとう。
 今日は、折たたみテーブルで朝食を食べました。向かいには、たまに来るおじいさんが無表情で豆乳を飲んでいました。お母さんは、手があいた時僕に近寄って来て、タイ語で一生懸命説明していました。どうやら、おみやげのいかめしとふりかけについてらしく、「お父さんと息子は、ご飯を3杯も食べた」と言ってニコニコしていました。
 そうこうしている時、おじいさんが僕に「この紙を使いなさい。」とポケットから紙を出してくれました。揚げパンをつまむと、油で手が汚れるからです。無表情のおじいさんから親切にされて、何だかうれしくなりました。
 お父さんは、今日も揚げパンにかかりきりです。僕も、今日は3回揚げパンを返す手伝いをしました。手があいた時に、お土産がおいしかった話と、お父さんもお母さんも「日本に行ってみたいんだよ。でも、お金がないからね。」と話してくれました。実は昨日、「日本に行くにはどれくらい金がいるか?」と聞かれていました。航空券の代金、宿泊費を説明すると、「日本には、お寺はないのか?」という質問が返って来ました。カーオマンガイ屋の兄ちゃんの話によると、タイではお寺に行くと無料で泊まれるらしく、そういう質問が出て来たわけです。日本に好印象を持ってくれるのうれしいけど、何だか複雑な気持ちになりました。日本について、色々ないいところを紹介したいけど、“行ってみる”ということは、なかなか実現困難ですからね。
 ちなみに、豆乳屋さん家族は大金持ではありませんが、決して貧しい家庭ではありません。カーオマンガイ屋の兄ちゃんは、「あの家は金持ちだよ。」って言ってましたからね。

追伸:お父さん、お母さんが「オイチ、オイチ。」と言っていたのですが、はじめは何かわかりませんでした。話を聞いて、総合してわかったのですが、おいしいと言っていたのです。お土産の食べ物(いかめしとふりかけ)がおいしいと言っていたのでした。タイ人特有のSHの発音がCHになるということだったのです。たぶん、息子に“おいしい”と教えていたので、彼がふたりに教えたのでしょう。
 そういえば、一昨日、親友Nたちとタイスキを食べていた時に、「Do you like フィッチ?」と、僕に何度も聞いていました。そうです、「Do you like fish?」だったのです。 僕は、Nに「発音が違う。」ときちんと言いましたよ。なぜかというと、Nは学校で英語を教えているからです。
 屋台は、はじめ豆乳を買うだけだったのですが、最近ちょっと長居するようになりました。豆乳屋のお母さんは、来る客来る客に僕のことを「日本人で、タイ語勉強しに来ている。」と言っているみたいです。時折、店の簡易テーブルについていると、英語ができる人や日本人に興味がある人が話しかけてきます。お父さんの方は、手があくと僕に向かってタイ語をゆっくり話してくれます。




■7月18日 木曜日


買い物カゴの奥様 今日は、お母さんが大変ご機嫌でした。
 いつものように、折たたみ机で揚げパンと豆乳をいただいていると、「昨日は豆乳が売り切れた。よく売れたよ。」とタイ語と身振りで言ってくれました。招き猫効果かな。
 お母さんは、お客さんがいない時には、豆乳の袋詰めをします。お客さんが来た時に、既に詰めてあるのと、その場で詰めるのとを上手に混ぜて売っています。袋詰めには、普通のゴムと赤いゴムの2種類があります。たずねてみると、甘いものとそうでないもので使い分けているのだそうです。甘くない、といってもシロップはしっかり入っています。甘くないとおいしくない、というのは、タイ人の感覚なのでしょうか。とはいえ、いつも2~3人のお客は無糖のものを注文しています。ちなみに僕は無糖です。
 僕が食べ終えたころ、カーオマンガイ屋の兄ちゃんがヨロヨロとやってきました。女の子を含めて、5人で朝まで飲んでいてご機嫌でした。お父さんが、僕に黙って揚げるのをしなさい、と指さしました。兄ちゃんは、お父さんには話しかけなかったので、それが気に入らなかったのかもしれません。兄ちゃんは、しばらくしてバイクに4人乗りで帰っていきました。お母さんは、それを見て笑いながら「お前も行くか?」と僕にたずねてきました。お母さんは、ご機嫌です。
 お父さんは、黙って椅子を並べて「座れ。」と言い、頃合いを見て生地をこね、揚げパンを鍋に投入します。それを見て、僕が手伝います。揚がったころに、僕が鍋の前からはずれると、お父さんは揚げパンを鍋から引き上げて運びます。言葉はなくても、大丈夫なのです。無口な方が仕事に集中できるもので、今日は鍋の中で揚げパンをひっくり返す順番が何となくわかってきました。いつもなら、お父さんから“ここをひっくり返せ”と指で指示が出ます。鍋の火のまわり具合、生地の投入順、それでひっくり返す順序が決まってきます。今日は、「ここいらへんをひっくり返せばいいか?」と聞いてみました。お父さんは、黙ってうなずきました。本当、何ごとも少しずつわかってくるとうれしいものです。
 7時20分頃、お父さんは「そろそろ水浴びの時間だろ。」と言うので、引き上げることにしました。本日は、2回だけのお手伝いでしたが、収穫は十分ありました。




■7月19日 金曜日……ロットチャックラヤーン(自転車)


 今日は、いつもより30分早く起きたので、その分早く到着しました。いつものように朝食を食べた直後に、お母さんからあんこ入りまんじゅうと中国茶をいただきました。中国茶は、お母さんが自分用に水筒に入れて持って来ているものです。その後、さらに揚げパンをふたつ「ローン、ローン(熱い、熱い)。」と言いながら、僕にくれました。こんなにいただいていいのだろうか……。そこへ、果物屋のおじさんがやってきました。僕の顔を見るなり、「アリガト。」と言ってニッコリしています。お父さんに、昨日「ありがとう。」という日本語を教えたので、それが伝わったのかな。僕のタイ語より、ここにいる人の方が日本語を確実に覚えていたりして……と、少し不安になりました。
 おじさんはどことなく憎めない感じの人で、いつの間にか話しかけられるようになっていました。今日は、「自転車はいくらか?」とたずねてみました。近くにあったスポーツタイプを指さして「3,000B。」との答えです。「ビッグCで?」と聞くと、うなずきました。
 この店が特に売れているかどうかは定かではありませんが、ステンレス製のバット山盛りにある揚げパンが、みるみる売れていきます。お父さんは、それを見ながら作業をすればいいので、休憩もできますが、お母さんは忙しいです。立ちっぱなしで、接客、豆乳の袋詰め、その合間に食器を洗ったり、そしておしゃべり……。おまけに、最近は僕の相手までしてくれます。
 お母さんに、「息子は大学の試験勉強をしているか?」とたずねると、「息子は寝ている。8時に起きて、朝ご飯を食べる。お前も行って食べるか?」と逆に聞かれました。そこにお父さんも入って、「うちに飯を食いに来るか?」と聞いてきました。朝ご飯は無理だけど、晩ご飯なら。来週なら大丈夫だから……と、タイ語で言おうと考えていると、お父さんもお母さんもあきらめたようで大笑いされました。タイ語をもっとがんばらなければ、と強く思いました。今日は、3回鍋の係をさせてもらいました。昨日、揚げパンをひっくり返す順番を習得した、と調子に乗ってやっていたら、まだ早いものを返して分裂させてしまいました。すかさずお父さんは、「そこじゃなくて、こっちを返せ」と指差します。お父さんごめんなさい、キチンとやります。反省です。
 最後のお手伝いを終える頃、お父さんが僕に言いました。「自転車は、俺が探してやる。鍵も。」タイ語が充分に理解できず、単語の中に息子の名前も出ていたので、息子と探しに行かせると言っていたのかもしれませんが。自転車の購入は、近々になりそうです。




■7月20日 土曜日……ターイループ(写真撮影)


 朝5時に起床してみると、雨がぽつぽつ落ちていました。滞在してはじめてジョギング中止を決定。まっすぐ、豆乳屋さんへと向かいました。
 今日は、少し写真でもと思い、デジカメを持参しました。店は屋外にあり、雨よけの大きな傘を開いて、その間に小さな傘をのせての営業です。「インターネットに載せるので写真を撮りますけど、いいですか?」と了解をいただいて、最初に撮ったのが招き猫。写真を撮ろうとすると、お母さんが周りを少し整えてくれました。お母さんは「インターネットでよく売れるようになる。」と言って笑ってました。カメラがあるので、今日はいつも訪れる方々を写真に収めることができました。後ろのカーオマンガイ屋さんのご主人。果物屋のおじさん。買物カゴを下げたご婦人。もうひとりのカーオマンガイ屋のご主人。この人は、ここに長居しはじめたころ、そこの兄ちゃんが日本語を少しと英語ができると紹介してくれて、その後「これから車で遠くに行くけど一緒に行くか?」と言ってくれたやさしいご主人です。このカーオマンガイ屋は24時間営業で、このそばを通るといつもたくさんのお客さんがいて、カーオマンガイをもりもり食べています。兄ちゃんは、今日はチェンライに帰っていて不在でした。
 果物屋のおじさんは、今日は朝早く来てお母さんに牛肉のラープを持ってきました。何だか知らないけれど、色々話しているので、“そのラープがおいしいのかな?”と思っていたら、お母さんがその半分を袋に入れ、突然市場の方に走り出して行ってしまいました。“店番、どうするんだよ”と思っていると、カオニャオ(もち米)を持って帰ってきました。僕にそれを持っていけ、と渡します。お母さん、どうもありがとう。
 果物屋のおじさんに「写真を撮ってもいいか?」と聞くと「いいよ。」と言うのですが、カメラの方をなかなか向いてくれません。実は、少々照れ屋なのでしょうか。お父さんに促されて一瞬見るのですが、すぐ目をそらしてしまいました。
 今日は、雨にもかかわらず売り上げは好調です。ポツポツ程度の雨は、タイの人には関係ないのかもしれません。揚げパンは飛ぶように売れていきます。お父さんは、急いで揚げパン作り取り組みます。ここは下手に手伝うと邪魔になるので、お母さんの方につくことにしました。そこへ、買物かごの奥様が登場。お母さんにも写真をお願いすると、快く了解してくれました。お母さんは忙しい店の様子を見て、「カーイディー(よく売れる)。」と言って招き猫の手の真似をして見せました。あの猫が結構気に入っているようです。今日も、招き猫は豆乳の作業台の隅にちょこんと座っているのですが、お母さんは招き猫の小さな赤の座布団の下にビニール袋を畳んで敷いていました。大事にしてくれているようです。何だかうれしいものです。
 今日のお手伝いは揚げパンをひっくり返すだけでしたが、いつもより長くいたのでたくさんできました。途中でお母さんが「カオカオ。」と言います。「カオカオ?」と聞き返すと、「カオカオ・マイアロイ」と言いました。どうも、白いのは美味しくないと言っているのです。なるほど、こんがりきつね色も濃いきつね色にしないとだめなのか。でも、お父さんは揚げパンをひっくり返す時「レオレオ(早く早く)。」と言うので、そこらへんのタイミングが難しいです。
 営業も、8時ころにはピークを迎え絶好調でした。売り上げ絶好調=お母さんご機嫌です。そこへ、長身の日本人に似た風貌の人が歩いてきました。“日本人に似たタイ人だなぁ”と思っていたら、何とラビットさんでした(ラビットさん、ごめんなさい。視力があまりいい方ではないもので……)。ラビットさんは、お父さんと普通に会話をしています。お父さんは、タイ語が話せて大喜びです。僕は一部しかわかりませんでしたが、日頃を抱いていても僕が答えられない疑問をたずねていたのかもしれません。僕も、折畳みテーブルで久しぶりにラビットさんと話ができました。閉店で片付けまでいたのも初めてでした。




■7月21日 日曜日……フォントック(雨降り)


 目が覚めると、今朝も雨が降っていました。残念ながら、朝のジョギングは中止。健康管理をしなければならないので、2日連続の中止となると少々困ってしまいます。
 まっすぐ豆乳屋さんに向かいましたが、雨は昨日の小雨程度というよりは本降りに近い感じでした。行くとすぐに、カーオマンガイ屋の主人が僕にババナの葉にくるまれたものを「食べなさい」とくれました。お父さんが、「ありがとうと言いなさい」と僕に言います。お父さんにとって、僕などは小さい子といっしょなのでしょうか。
 カーオマンガイ屋さんの机を借りて、いつもの豆乳、揚げパンといただきました。バナナの葉の中身は、カオニャオとプリンがいっしょに入った甘い味です。おいしかったです。おじさん、ありがとう。
くだもの屋のおじさん 今日は雨のせいか、6時を過ぎても周囲は暗く、周りの店も作業の出足が鈍かったのですが、ここのカーオマンガイ屋さんは24時間営業なので、しっかりがんばっていました。「雨が降ると人がいない。」これは、雨が降るとお父さんもお母さんも言う言葉です。確かに、お客さんが少ないです。昨日、あれだけ売れてたのに今日はお客さんがポツポツ来るといった感です。お母さんも、今日は少しゆっくり目の作業で、何度か椅子に腰かけていました。お母さんの休日は、雨の日なのかな?お父さんも作業がゆっくりなので、3人で椅子に腰かけていました。お母さんとお父さんが腰かけて何やら話していました。内容は僕にはわかりませんが、お父さんとお母さんはいつもあまり話さないので、新鮮な光景でした。それでも、まったく売れないわけはありません。揚げる作業も、今日は3~4回お手伝いできました。今日は、お客さんの中に僕が滞在しているところの部屋係の女の子がお母さんと一緒に来ていました。毎朝こっちから挨拶すると「チャオ」と答える、小柄の大人しい女の子です。店で会うのは初めてですが、向こうも気づいたらしく、チラチラこちらを見ていました。
 7時40分をまわった頃に雨が止みかけたのですが、それから5分ぐらいしてお客さんが来はじめました。本当に、商売にはわからないですね。あっという間に揚げパンはなくなり、次の分を急いで揚げはじめました。なんだかんだで揚げパンは売り切れ、本日の営業は8時30分過ぎに終了。お母さんに、「昨日もらったおかずは、辛かったけどおいしかったよ。」と言うと、お母さんは、「おいしかったのか?あれは辛すぎておいしくないよ。」と言ってました。そうかな?僕はおいしいと思うけど……などと話していると、「今日はターペーに行きなさい。」と言ってきました。人がたくさんいるから遊びに行け、と言います。よくわかりませんが、今日は久しぶりにターペーに行くことにします。




■7月22日 月曜日……のんびり、そして緊張


 今日は、何とかジョギングができました。昔、部活で1日サボると3日遅れると言われていたおかげで、運動ははじめたら毎日しないといけないものとインプットされています。2日休んだので6日分遅れたことになるので、今日はゆっくり目に走りました。
 豆乳屋さんは、いつも通り営業です。雨が降らないといっても、今にも泣き出しそうな空模様なので、傘を開いての商売です。昨日よりは、お客さんはコンスタントにやってきます。後のカーオマンガイ屋さんからは、タイポップスが流れています。アップテンポの曲が流れると、こっちまで何だか頑張ろう、という気になりますが、今日はバラードだったので癒される感じでした。
 お父さんが「横に座れ。」と言い、お母さんも手があいたので腰かけて、昨日自転車を買ったことやお母さんに言われてターペー通りに行ってきたことなどをタイ語で話しました。何だか、ほのぼのしていい感じです。揚げパンと豆乳は、しっかり売れています。
 お母さんに頼んで、豆乳用のビニール袋と輪ゴムを2つずついただきました。自分の部屋で暇な時に袋詰めの練習をするためです。1度やらせていただいたのですがうまく行かず、できるようになってみようか、と思ったからです。父さんにそのことを話すと、「この商売をしなさい。」と言いました。僕が「日本で?タイで?」とたずねると、どっちでもよいみたいです。「こっちに住みたいけど、仕事がないとだめでしょ。」僕の考えをお父さんに話しました。
 今日は月曜なので、タイ語学校に行く日です。時計を見ると、7時15分。もう少ししたら失礼しようと思っていました。お父さんが生地をこねる作業に入った時、僕に言いました。「ドゥー(見なさい)。」えっ?そうです、生地をさばき方をよく見ていなさいと言うのです。そして、揚げてバットへ。お客さんが来て売れていたので、もう1度作業です。今度は、お父さんの作業台の向かい側に来いと指示されました。揚げパンは、小さく切った生地の片方に筆で水をつけ、それを合わせて油に投入します。お父さんは、筆で水をつける作業をしてみろというのです。僕は驚きながら、筆と水の入ったマグカップを持って作業をしました。1度に何回生地に水をつけるか決まっているようで、教えられました。僕は筆の持ち方が悪く、これだとななめに水がついてしまうそうで、これも注意されました。簡単そうで難しい。とても緊張しました。
 考えすぎかもしれませんが、お父さんとお母さんはこれで生活しているわけで、また、お客さんにとっては今日の朝ご飯なわけで、いつも作業を初めてさせていただく時は緊張します。それに、久しぶりに新しいことをさせていただいたので、少し感動もしました。今日は、7時半過ぎに店を後にしました。明日も手伝わせてくれるでしょうか?




■7月23日 火曜日……忙しい。でもそんなに売れていない


 今朝は、雨も降らずジョギングも順調でした。スタジアムを5周して、その後備え付けの器具で、コンクリートの詰まった土管を持ち上げるのを20回、土管を半分埋めて作った腹筋台で腹筋を20回、それぞれ3セットしています。今日腹筋をしていると、隣で腹筋をしていた同じ年くらいのタイ人が声をかけてきました。空港で働いているが、腹に肉がついたのでここに来たとか言っていました。
 スタジアムで朝運動している人は、半分以上が年配の方々です。何人かの若い人が走ったり、筋トレをしたりしています。ここで話しかけられたのは、初めてです。うれしいものです。おかげで、今日は少し遅めの6時40分ころ豆乳屋さんに向かいました。着くと、すぐにお父さんが「揚げパンのひっくり返すのをしなさい。」と言います。どうやら、お客で来ていた若者2人に見せたかったようです。それが終わると、朝食を食べなさいと言われ、朝食。食事が済むと、昨日教えていただいた生地に筆で水をつける作業。水をつける作業が終わると、お父さんが鍋に生地を投入するので、それを返す作業。
 果物屋のおじさんが来たので、僕が買った自転車はサドルが固くて尻が痛い、と話したら大笑いされました。お母さんが、できたての揚げパンを「マイスワイ(きれいじゃない)。」と言って3つ、中国茶といっしょにくれます。食べていると、作業しているお父さんがチラッとこっちを見ます。水をつける作業か。はいはい、がんばりますよ。そうすると、お父さんの友人らしいお金持ちそうなおじさんが、机で豆乳と揚げパンを食べるので僕に「持って行け。」と言います。えっ?今日は、接客もするのかな?どう言っていいかわからなかったので、「サワディーカップ」とにっこり笑って、豆乳と揚げパンを差し出しました。それからも、揚げパンを作る作業は続きました。
 僕にとって、今日は忙しかったので、お父さんとお母さんに「今日はよく売れますか?」と聞くと「売れない」との答えです。よく売れる時は、僕が作業してたら大変な状態になるのか?邪魔にならない程度にお手伝いさせてもらおう、と思いました。今日は7時30分に終了です。




■7月24日 水曜日……忙しい朝


 朝から晴れ。気持ちがいいものです。昨日の夕方、カーオマンガイ屋の兄ちゃんに会いました。ムーカタ(焼肉)を食べに行くが一緒に行くか?とバイクに3人乗りして僕を誘ってくれました。行きたいけど無理でしょ、それじゃ。
 タニン市場に入っていくと、今日はやけにタンブン(功徳)をする人が多いです。お坊さんも、お供物をたくさん持って、今日は後ろに荷物持ちの小さな子どもまで引き連れています。明日は、何でも出家の日で休日なのだそうです。その関係なのかなぁ、と考えながら、豆乳屋さんに行きました。ここでも、タンブンのお客さんで忙しそうです。僕も朝食をいただきましたが、その途中ですぐにお父さんの手伝いです。急いで食べ終えて、また手伝い。お客さんが帰った後の食器を片づけたり、また手伝ったり。今日はタンブン用になのか、スーパーの特大のビニール袋に山ほど買った奥さんがいました。あっという間に揚げパンは売れていきます。揚げパンが早く売れる→早く作る→できたて→おいしい→早く売れる……。これは商売の基本だな、と実感しました。
カーオマンガイ屋のご主人 果物屋のおじさんが来たのですが、今日はゆっくり話せません。僕は、生地に水をつけている時はいつも下を向いているので周りは見ていないのですが、今日は「チュワイ、チュワイ(手伝い、手伝い)。」とお父さんお母さんが言っているので、何だろうかと顔をあげると、市場の中でカオニャオ(もち米)を売っているおばさんでした。僕は、このおばさんからいつも夕食のときに、蒸かしたもち米を買っています。ここに来てすぐの頃、親切に応対してくれたからです。いつも、3バーツ分(少な目です)買うのですが、嫌な顔ひとつしないで売ってくれます。つい「おはようございます。」と日本語で言ってしまうと、お父さんから「サワディーカップと言いなさい。」と言いわれました。おばさんは、にっこり笑って帰っていきました。おばさん、また買いに行くから、よろしくお願いしますね。
 何回かお父さんの手伝いをしていた時に、お父さんが生地を鍋に入れるのをしてみろと指示しました。えっ?やっていいの?水のついた生地とついていない生地と重ねて、少し引っ張って鍋に投入。やってみると、これが実に難しいです。生地の切り口が湿っているので、もたもたしているとくっついてします。打ち粉をつけろと言われるのですが、それでも上手くいきません。「難しい。」と僕が言っていると、お父さんが「日本語で“難しい”は何と言うのか?」と聞かれたので教えると、「マイムズカシイ(マイ=否定)。」と言って笑っていました。鍋では生地がどんどん揚がっていくので一気に入れるべきなのでしょうが、そうすると焦ってしまいます。僕の入れる様子は、もたもたしていて不格好です。これじゃ、お母さんに“マイスワイ(きれいじゃない)。」って言われるな……。お母さんは、今日は接客に忙しかったのですが、振り向くと「マイスワイ。」と言って、ひとつ僕に食べないさいと渡しました。お母さん、ごめんなさい。それは僕が作りました。
 それから何度か手伝って、あっという間に7時30分になりひきあげることにしました。今日は、朝食以外立ちっぱなしのお手伝いでした。帰りしなに、お母さんがカオニャオとおかずをくれました。お母さん、いつもありがとうございます。後でゆっくりいただきますね。




■7月25日 木曜日……強力(協力)なライバル出現


 今日は、カオパンサーの日(?)で祝日。昨日はタンブンであれだけ売れたので、今日も忙しいはずです。タイ語学校もないので、ジョギング後一度戻ってシャワーを済ませ、準備万端整えてから向かいました。しかし、行ってみると何だか人が少ないです。お父さんに聞いてみると、「みんな、タンブンでお寺に行ってしまったので人はいない。」と言います。分からないものです。
 朝食をとっていると、カーオマンガイ屋の兄ちゃんが「昨日、一緒に遊ぶと約束していたのに来なかった。」と言ってきた。そんな約束してないでしょ。あれ、おかしいな。何だかわらないけど、今度行くとになりました。
 お手伝いはいつも通りです。生地に水をつけて鍋に投入。少し待ってからひっくり返して、お父さんが確認して油からあげてもらいます。1回終わったころに、最大のライバルが赤のモトサイに乗ってやってきました。息子です。7月は、チェンマイ大学の試験があるため僕は会わないようにしていました。久しぶりなので色々話をしますが、お父さんの作業を見て息子は作業を手伝っています。これがさすがで、非常に自然なんです。鍋の中の揚げパンをひっくり返すのも、2~3個まとめて箸でつかんですばやく裏返して行きます。生地に水をつけるのもすばやいです。一応、僕も負けずに交代でやらせてもらいました。お母さんは、「そのうち2人で揚げパン屋をしなさい。」と笑っていました。息子に聞くと、中学生の頃から店を時々手伝っていると言います。キャリアの違いです。
 せっかくなので、懸案の豆乳の袋詰め作業を教えてもらいました。もちろん、水で練習です。何度か教えてもらっているうちに、基本はわかってきました。後は、練習ですばやく美しくできれば合格するかもしれません。色々話したり手伝ったりしていると、お母さんが折たたみ机にカーオマンガイを2人分用意してくれました。つけ合わせの野菜は、僕の方にくれました。僕が、野菜を好んで食べるということを知っているのでしょうか。とにかく、ありがとうございます。
 今日は、9時に失礼しました。息子は、お母さんを連れてワットプラシンに午前中に行くと言っていました。僕も一人で言ってみようと思いました。行くのは、午前中がいいそうです。




■7月26日 金曜日……初代ライバル


 今日もいい天気でした。いつもより早めに豆乳屋さんへ行くと、後ろのカーオマンガイ屋さんが忙しそうです。聞いてみると、今日は休みだということで、店の掃除をしていました。お客さんの何人かが、休みだと聞くと渋々ほかの店で朝食を買っていたので、やはり評判がいいのでしょうか。
 朝食を済ませたころ、初代ライバルがモトサイで登場しました。今日は、何やらモトサイに食べ物をたくさんぶら下げていました。“作業はするのかな?”と思って見ていると、托鉢のお坊さんが来て、お坊さんが持ち切れなくなった供物の食べものをモトサイに乗せて行ってしまいました。奴は、何者なんでしょうか。奴が行った後は、いつものお手伝いです。
 今日は、いつもよりお客さんは少な目でしょうか。生地を鍋に入れる時に、少しくっつけてから引っ張って投入するのですが、引っ張り加減ができあがりに影響するのだとわかってきました。お母さんの言う“スワイ(きれい)”に向けて自分なりに考えてみることにしましょう。お父さんは、僕に「お父さん、油からあげてください。」とか、「お父さん、もういいですか?」とか言いなさいとタイ語で言います。こいつは、タイ語を早いところマスターしないと相手にされなくなっちゃうかな。
 しばらくして、息子がモトサイでやってきました。今朝も眠そうです。お母さんは、僕に「昨日、息子はご飯を食べて寝てばかりいた」と言っていました。もしかして、お母さんは家で息子用の朝食を用意していないのかな?これは、お母さんの作戦だったりして。息子は、店を手伝いながら揚げパンと豆乳を食べていました。息子の手伝いは、さすが長い間やっているだけあって、無駄がありません。お父さんの生地に水をつけていたかと思うと揚げる方をやり、鍋の様子を見ながら生地に水をつけ、鍋からできたものを揚げる。そして、すぐ食器を洗っています。その間に揚げパンをつまんだり……。いつになるかわからないけど、こんな風に自分にもできるだろうか?と、ふと考えました。
 7時半になり「帰ります。」と告げると、息子も両親もモトサイで送って行くと言ってくれました。「それより、お母さんと一緒にいてやれよ。」と息子にやんわり断って、今日は失礼しました。




■7月27日 土曜日……大失敗!いつもありがとうございます


揚げパン屋の家族 昨晩、親友Nが午後9時過ぎに食事に誘ってくれました。久し振りにナイトバーザール付近で食事をしたのですが、11時前になったら魚を買いに行くと言います。これからまだ食べるのかなぁ?と思っていると、深夜の市場に到着、1人3匹ずつ生きたナマズを買いました。そして、ピン川に到着。何と、これはタンブンだったのです。願いごとをして、袋の中のナマズを川に放してやりました。月夜の晩に、対岸のグッドビューやリバーサイド(ともにレストランの名前)を眺めながら放生を行うのは、何だか趣があるものです。帰ろうと立ち上がった時、魚が水面に顔を出し跳ねて、また水の中に消えて行きました。Nは「魚がお礼を言ったんだ。」と言っていました。Nは、いつも色々とイベントを考えてくれます。感謝です。とはいえ、これを行ったのが午後11時過ぎ。帰宅が12時近く。就寝は12時半を回っていました。
 朝、午前5時半ごろにがんばって起き、相当眠かったのですがジョギング、シャワーを済ませ豆乳屋さんに向かいました。今日は、お客が少ないようでした。いつもと同じように、お父さんの助手をして手伝いを何度か行いました。ちょっと自分でも慣れてきたな、と思った時です。揚げパンをひっくり返すのは、お父さんがやると言います。どうやら、僕の水のつけ方がまずかったようで、結構な数の揚げパンがくっつくかずに分裂してしまいました。お父さんからは、「水のつけ方が足りない。こうしなさい。」と指導がありました。お父さん、大変、申しわけございません。そしてお母さん、本当にごめんなさい。
 こういう状況なので、今回は見取り稽古に徹しようと、お父さんの横に立っていました。お父さんは、「生地に水をつけるのと、揚げパンを裏返すのはやりなさい」と指示してくれました。お母さんは、お客さんがいない時にタニン市場の宝くじ屋にある招き猫を見せるために、僕を引っ張って行きました。「あっちは手が動くよ。」と言っているので、僕は「こっちの方がかわいいよ。」と言いました。お母さんは、市場でやきそばを買ってくれました。いつもありがとうございます。
 お父さんは、僕が揚げるのをやっている時、「ディーは、日本語で何と言うのか?」と聞いてきました。「“よい”とか“いい”です。」と答えると、ちょうどいい加減に揚がっていたので、「ヨイレーォ(レーォは完了を表す言葉)」と日本語とタイ語のミックスでニコニコしています。盛り上げてくれて、ありがとうございます。今日お父さんの口から、お母さんは日本へ旅行へ行くんだよ、との話がありました。3万バーツかかるそうです。「お父さんは?」と聞くと、「お金がないから、行かない。」と言います。お母さんに「息子と行ったら?」と聞くと、僕に「お前、豆乳の袋詰めできるのか?」と身振りで言ってきました。なるほど、お母さんがいない時はお父さんと息子で店をやるから、息子も行ってしまうと代わりがいない、だから僕が代わりをやれるか?ということです。あくまでも、店は年中無休なのです。
 今日は、8時20頃から急に忙しくなりました。9時ぐらいに失礼しました。




■7月28日 日曜日……自粛、一時解禁


 昨晩は8時過ぎに停電があったのですが、それとともに寝てしまい、目が覚めたのが深夜で、再び寝て午前4時と中途半端な起床時刻になってしまいました。1時間早めにジョギング、シャワーを済ませ、豆乳屋さんへ向かいました。午前6時過ぎは、さすがに人も少なめです。
 先日の揚げパン分裂の失敗を受け、今日も生地をくっつけて鍋に入れるのは自粛です。果物屋のおじさんが来て作業を見ていて、「生地を鍋に入れるのを手伝わないのか?」と言ってきました。「うまく行かなかったから、今日は休みです。」と言うと、お父さんは笑ってうなずいてました。
 托鉢のお坊さんが歩いていました。お父さんは、托鉢のお坊さんに豆乳と揚げパンを供物として渡すように僕に言いました。いつもは断っていたのですが、今日は見よう見まねでやりました。お坊さんより高い位置にいてはいけないので、サンダルは脱いで地面に裸足で降りて、そして供物を渡して合掌します。お父さんは「毎日しなさい。」と言います。毎日しなきゃいけないのかなぁ……。
 今日は人がいないと言っていたのに、7時半過ぎから急に売れ出し、大忙し状態になりました。生地に水をつけて、お父さんが鍋に入れて、僕が裏返して、その間にお父さんは生地を切って、たまにお母さんが揚げパンを鍋からあげに来て……と、客商売はわからないものです。
 ちょうどそのころ、ラビットさんがやって来ました。前回、ラビットさんが来た時は店じまいの時だったので、今回がラビットさんの前でのはじめての作業です。作業はいつもと変わらないのですが、何となく緊張します。お父さんは、生地を鍋に入れるのをやりなさい、と指示しました。もしかしたら、ラビットさんに見せるためなのでしょうか。
 今日は、揚げパン用の生地がなくなったのでこの作業は早々に終了。ラビットさんはタイ語が話せるので、お父さんやお母さんといろいろ話しています。僕もこれくらい話せるとよいのですが、そうはうまく行きません。常連の奥様が立ち寄られても、いつも途中で話は終わってしまいます。とにかく、タイ語を覚えないといけないのでしょう。
 今日は、ラビットさんと片づけが終わるのを見届けて、帰りました。




■7月29日 月曜日……内輪のギャグ


 今日は、ジョギングの途中で雨がポツポツ降りはじめました。“これは少なからず商売に影響があるかも……”、そう考えながら店に向かいました。人も少なめで、のんびりムードです。お父さんが、「今日も、托鉢のお坊さんに供物をあげなさい。」と言います。靴を脱いで、今日は地面が濡れていたのでその上に乗って「いいことがありますように……。」とお願いしました。
 お父さんお母さん、果物屋のおじさんと僕の間にだけ流行っているギャグがあります。それは“ウタイマーカップ”。ウタイは、お父さんの名前です。お父さんが果物屋のおじさんに、日本語のおいしいを教える時に冗談でウタイと言ったのがはじまりです。おいしいと言う時は、“アロイマー。オイシイ”。そして、“ウタイマー”。おいしいものを持って来た時は、“ウタイレーオ”。これを言うと、うけてくれます。
 今日、お父さんは僕に数字を一生懸命教えてくれました。数え方です。毎日、色々タイ語を教えてくれてありがとうございます。お返しに、日本語のいらっしゃいを教えてあげました。果たして、定着するでしょうか?
 今日は、7時過ぎから雨があがったので忙しくなりました。今日も、僕は鍋に入れる作業はしませんでしたが、鍋から揚げパンをあげる作業はさせてもらいました。大きいジャーレンと小さいジャーレンをきちんと使ってです。忙しくなると、時間はすぐに過ぎていきます。あっという間に、7時半過ぎ。今日は、これで失礼しました。




■7月30日 火曜日……忘れてしまった


カーオマンガイ屋の兄ちゃん 昨晩は暇だったので、カーオマンガイ屋に遊びに行きました。おじさん、兄ちゃん、ほかの人とかわるがわる相手をしてくれました。行ってみて思ったのですが、お客さんは国際的でした。台湾からの観光客、茹で鶏をお供え用に丸ごと買った中国人グループ、そして関西弁のきれいな日本人女性。お客さんを見ているだけでも楽しいです。
 今朝もいつも通り、と思ったのですが、何とお金を忘れてしまいました。いつも朝食分のお金を持って行くのですが、寝ぼけていたようです。お父さんに、「お金を忘れた。」と話すと「シーッ、静かに。」と口に指をあてて笑いながら5バーツ硬貨を貸してくれました。お母さんは笑いながら、お金を受け取り返す真似をしました。2人とも言います「お金を払う必要はないよ。」と。でも、そうはいきません。明日、10バーツ払いますよ。
 今日は、3回も托鉢のお坊さんに揚げパンと豆乳を差しあげました。欲深かな僕は、供物をあげ、目をつぶって合掌して、あれもこれもとお願いしてから目をあけると、お坊さんはもうどこかに行ってしまっていました。
 お父さんから、指導を受けました。生地に水をつける時のつけ方を直されました。分裂事件をやらかしてから、僕は生地に水をつける時、筆で何度もつけていたのですが、それを1度にしなさい、との指導でした。それと新しいことをひとつ。それは、火の調整の仕方です。ただガスの炎を調整するだけなのですが、僕としてはそのうち僕が油の温度まで見れるようになるのか?とちょっと考え、期待してしまいました。
 売り上げも好調。お父さんに、ラオス行きの報告をして帰りました。




■7月31日 水曜日……ローディァオディアオ(ちょっと待って)


 今日は天気もよく、お客さんも快調でした。
 昨日の5バーツ分をお返ししなくては、と、まずお母さんに10バーツを渡しました。お母さんは、払わなくていいと言いますが、僕は「ダメダメ。」と言ってお釣りの5バーツをもらいました。それをお父さんに渡しに行くと、お父さんはお金をもらうのを拒絶。それでも差し出すと、僕に手を上げる振りをする始末です。「親しき仲にも礼儀ありですよ。」とタイ語で説明したかったのですが、僕の力では無理なのであきらめました。そのうち、何かほかの形でお返しします。
 今日も、3回托鉢のお坊さんに豆乳と揚げパンを渡しました。実は、今日もするだろうと予想して、ジョギングが済んだ後、靴下を脱いでいました。直に地面の感触を感じたほうが実感できるかな、と思ったからです。新入りのお坊さんが多いためか、6~7人の托鉢のお坊さんの列がありました。僕が「あれじゃ、なくなっちゃうよ。」と言うと、お母さんは大笑いです。
 お客さんは順調で、次から次へと揚げる作業が続きました。お父さんは、「早く水をつけなさい。」、「早く裏返しなさい。」、「もうできたか?」と何度となく言ってきます。僕が「ローディアオカップ。コーイディアオカップ(ちょっと待ってください)。」と言うと、お父さんにもお母さんにも、うけていました。お父さんは、「ローディアオディアオ。」と言います。タイ語も日本語と同じで言葉を繰り返すのが好きだなぁ、と本当に感心します。ロンローン(熱い、熱い)、ナームイェンイェン(とても冷たい水)、レックレック(ちっちゃい)……。
 今日もあっという間に終了でした。



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