その他のレポート&旅日記

トモコさんのタイマッサージ学校レポート


 タイマッサージが好きで、できることなら自分でもあの技術を身につけたい、とお考えになる方も多いと思います。チェンマイには、そうした外国人向けにカリキュラムを組んで、北タイ式のマッサージを教えてくれる学校があります。そこに実際に通われて、資格を取られたトモコさんから授業内容や感想を記したレポートをいただきました。少々辛口のコメントもありますが、外国人が受講することのできる、タイでも数少ない北タイ式タイマッサージスクールに関する貴重な情報です。
【このコンテンツは、Rabbitさんのサイト「チェンマイ通信」にあった“チェンマイ生活情報”のコーナーが閉鎖されるのに伴い、お譲りいただいたものです。】


■ITM(International Training Massage)

住所:17/7 Morakot Road Hah Yaek Santitham(YMCAをまっすぐ北に行き、ロータリーを越えたところ)
TEL:053-218632
FAX:053-224197
WEBSITE:www.infothai.com/itm
E-MAIL:itm@infothai.comまたはitm60@hotmail.com


 ITMのタイマッサージスクールは、レベルⅠ~Ⅵまで6段階に分かれており、それぞれ5日間の講習を受けます。講習は、全部で163課程(ここではNo.1~163と表記)に及びます。各レベルの受講料は2,250B(60USドル)で、6段階分を一度に支払っても割引はありません(以前はあったのですが、今はなくなりました)。
 各レベルとも、月~木に講習を受けて金曜日は終日練習というのが1ユニットになっており、最終日の金曜は、ヨガの後の休憩時間にフルーツやケーキがたくさん出るパーティーもあります。講師兼経営者は、チョンコル・セッタコーン(Chongkhol Setthakorn)先生と奥さんのアチャラ・セッタコーン先生で、それに加えスタッフが5人います。
 レベルⅠ は、基本的な仰向け(No.1~63)でのマッサージについて、4日間の説明を受けます。最後の金曜日は、終日その練習になります。
 レベルⅡ(No.64~134)は、側面、後ろ向き、座った姿勢でのマッサージを学習します。レベルⅠと同じく、月~木までは講習で、金曜日は終日練習です。
 レベルⅢ・Ⅳは、毎週交代で開講され、それぞれⅠ・Ⅱと同様に月曜日から金曜日までで1ユニットになっています。
 レベルⅠとⅡは基本的な時間割は同じで、午前9時に授業が始まり、まずはヨガを1時間やります(ヨガを取り入れている学校は、私の知る限りITMだけ)。ヨガの前には、3分くらいの瞑想もあります。ヨガをすると、その日1日の体の調子がとてもよいと好評です。ヨガには出なくてもいいのですが、ヨガの動きを取り入れている施術の動作があるので、出たほうがいいと思います。2~3週間続けると、体が柔らかくなり女性はスリムになるそうです。ただし、ITMのヨガは経営者のチョンコル先生が北タイマッサージの動きをベースにアレンジを加えたもので、本式のインドのものとは異なります。
 10:00~10:15は休憩。2階で無料の水、コーヒー、紅茶、ココアがセルフサービスでいただけます。
 10:15から再び授業開始。先生コース(レベルⅤ・Ⅵ)の生徒が、レベルⅠの生徒を相手にデモンストレーションを行い、その後習ったことを練習します。レベルⅡの生徒には、チョンコル先生が2階でデモンストレーションをしてくれます。
 12:00~13:00がお昼休憩。
 13:00から午後の授業が開始されます。レベルⅠ・Ⅱの生徒は15:00まで練習です。スタッフが横につくので、わからないところはは随時教えてもらえます。レベルⅢとⅣの生徒は、別のフロアでチョンコル先生にデモンストレーンと説明を約1時間受けた後、練習です。
 15:00に、マントラをみんなで唱えて授業終了です。

≪ワンポイントアドバイス≫

 レベルⅠ・Ⅱ(No.1~134)を2週間で覚えきるのは無理です。英語ができる西洋人でさえ、厳しいと思います。
 授業はすべて英語で行われるので、基本的な体の部分の英単語くらいは覚えていった方がいいでしょう。さもなければ、今、日本ではタイマッサージをすごくわかりやすく解説した本が出ているので、それを買って読んでおくと楽に授業についていけます。受講生はヨーロッパ系の白人が多いですが、世界中の色々な国の人が来ているので、そういった人たちと友達になれるし、価値観に触れられます。日本人同士で固まらないで、英会話の勉強と思ってこれらの西洋人に話かけるとおもしろいです。タイマッサージを習いに来る人は、プロのマッサージ師(西洋人、日本人問わず)か 趣味+お遊びか、これからプロになりたい人に分類することができるかもしれません。特に西洋人は“アジアが好きで東洋の神秘に惹かれて”とか、“ヨガかインドにはまって”とかの濃いメンバーが集まっているような気がします。レイキマスターがいたり、ヨガマスターもいたりで、本当にディープな時があるのでおもしろいです。
 レベルⅢは、“センライン”を学びます。セン(この言葉は日本語の“線”から来ました)とは、もともとインドに起源を持つ考え方で、体には7つのセンライン(例えばセン・カラタリとかがあります)が流れているとするものです。へそを中心に5体に流れているのですが、それに沿って指での指圧、または手の平指圧をすると効果が出ます。
 レベルⅢでは、レベルⅠ、Ⅱ(NO.1~163)を習得していることを前提に講義が進められるので、授業はNO.163までの内容にプラスして、センラインに効くマッサージのやり方を習います。
 レベルⅣは“ツボ”について習います。4日間に分けて、かぜに効くツボ、腹痛に効くツボ、疲労効くツボなどさまざまなことを習います。5日目は他のレベルと同様、終日練習です。また、それにプラスしてNO.163までのマッサージ中に、どのツボを押せばそれぞれの症状により効果的に効くかを教わります。
 レベルⅤ・Ⅵは、先生向けトレーニングコース(タイマッサージ師範コース=teacher training course)になっています。一応、レベルⅠ~Ⅳを習ってからこのコースを受講することができることになっているのですが、要は新しく入ったレベルⅠ・Ⅱの生徒達に対して、スタッフに混じってマッサージを教えることがメインになります。
 授業中に、チョンコル先生が教えた後に、生徒に対して実技をする際、先生として英語で欧米人を主とする生徒達にマッサージをデモンストレーションします。日本人は、英語が不得意の人が多いので自動的に免除されますが、英語を母国語とするイギリス人やアメリカ人でも、たくさんの生徒たちを目の前にすると手が震えるほど緊張するそうです。私は、友人で英語が不得意な日本人を相手にしました。やはりとても緊張しましたが、やってみるとおもしろく、そしてすごくいい思い出になりました。
 先生向けトレーニングコースは、原則としてはレベルⅠ~Ⅳを終了した生徒が受講できることになっていますが、経営者としてのチョンコルさんは、レベルⅢの生徒にも「レベルⅢ、Ⅳと同時に先生コースが取れる。」と言って、理解していない生徒達にも受講させています。しかも、一応このコースは2週間としていますが、授業料を払えば1週間でも修了できます。

≪感想≫

 よく「私は、タイマッサージの先生コースを終了している。」と言って威張る日本人に会いますが、実際には3週間(これが最高記録)で先生向けトレーニングコースまで修了することも可能なので、中にはメチャクチャなマッサージをする人もいます。にもかかわらず、日本では“タイマッサージの先生”と言ってはばからず、これは実に恥ずかしいことだと思います。
 私の友人のプロの日本人マッサージ師は、「2ヶ月いて先生コースを修了しても、まだ練習し足りない。」と嘆く人も多く、またタイ人も「マッサージで、1~2年くらいの経験ではまだまだ……。」と言っていることをわかってほしいなぁ、と思ったりしています。
 先にも書きましたが、マッサージを完璧に覚えていなくても、お金さえ払えば先生向けトレーニングコースの修了証をもらえてしまうのも事実です。また、英語を母国語とする西洋人でも、たったの4週間でこの先生コースに進級して来ていたりするので、レベルⅠの生徒たちに間違ったことを教えることもあります。言葉のハンディがない彼らでさえ、163の全動作を覚えるのはむずかしいのです。安易に先生コースの終了証を出したりすると、ちゃんと学びに来た人には、ITMに失望させることになります。それで、陰では「ITMは“I take money”の略だ。」とマッサージを習っている仲間内でささやかれたりもしています。
 ITMの受講生は西洋人が多く、いい人もたくさんいますが、“東洋人”として私自身がかなり差別された時もありました。でも、おかげで英語力はアップしたし、色々な国の人と知りあえてよかったと思っています。ITMに来る主な東洋人は、日本人です。ITMのチョンコル先生に対して“金の亡者”との評判が立ったりしますが、先生コースが取れるので、それでもみんな習いに来ます。不思議なのは、チョンコル先生にさんざん文句を言っていた私を含めたほかの西洋人たちも、たとえいったんITMをやめても、結局またITMにマッサージを習いに戻って来る、ということです。「実は私たちは、ITMが好きなんだね。」などと話したりしてます。
 それと、ITMの朝のヨガはかなり評判がいいです。これは、私の友人のマッサージ受講生仲間達が日本に帰ってから「ヨガテープを送ってくれ」というメールが数回来たことで立証済みです。ちょっと悪口を書いてしまいましたが、これも私がITMを愛してるからです。
 とにかく基本の163の全行程を覚えて、完璧に施術できるようになればかなり上出来だと思います。私は半年いて(もちろんたまに旅行したり、行かなかった時も多いですが)、やっと人から「うまい」と言われるようになりました。それでも、まだまだです。これからも、修行が必要だと感じています。



たまにはぜいたく……もいいよね




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