ブアさんの“対照研究 「マイペンライ」~日タイにおける解釈の違い~”

2.先生と生徒の間で使われる「マイペンライ」


 実例4と実例5はいずれも学生が先生の研究室に手伝いに来た時の会話である。実例4(1)は1997年の集計と同様にタイ人は「先生に遠慮して飲みたくないふりをする」が67.0%と過半数を超えるかなりの人がこう答えた。また日本人の回答数が一番多かったのは「学生は飲み物はほしくない」で、31.9%という結果だった。しかし、実例5(1)では、「学生は自分で飲み物を作る」が日本人もタイ人も同様に一番の回答数という結果になった。これは、実例5は実例4と違い、文章から先生がもうお茶が紅茶を入れようとしている状況が推測される。だからタイ人の多くは先生にお茶を入れさせてはいけないと思い、「自分でお茶を作る」を選んだことがわかる。
 実例4でタイ人が「先生に遠慮して飲みたくないふりをする」と回答した理由として「先生に遠慮」と回答した人が6人いた。また、「自分は年下だから先生に遠慮」「タイの社会では遠慮することが大切である」との意見があったが、日本人は回答した理由として、「今は飲みたくないので断っている」と回答した人が4人もいて、タイ人と日本人の間の解釈の仕方の相違が見られた。
 しかし、実例5では「先生に飲み物を入れてもらうのは失礼」「タイでは学生が自分で入れるのが普通だから」というタイ人の多くの人と同じ意見の人もいたことは興味深いことである。また、タイ滞在期間が2ヶ月の日本人学生は「実際に先生に遠慮して、自分で飲み物をいれるという行動を見た」と理由を答えている。2ヶ月という短い期間でもこのようなことを体験されているということは、タイでは学生は先生に配慮することを大切にしていると言っていいのかもしれない。
 興味深いことに、タイ人の回答理由のほとんどに「先生に遠慮」という言葉が出てきた。これはタイ社会において、先生というのは偉大な存在で、尊敬の対象にあたるということを示している。このことに関連させ、実例6では日本人とタイ人の考える目上の人についてのアンケートをした。また、実例1、2の友達に関連させ、それぞれの考える親友についてもアンケートをした。このことは次の章で紹介することにする。



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