ブアさんの“対照研究 「マイペンライ」~日タイにおける解釈の違い~”

はじめに


 「タイ」という国はどんな国か?と日本人に質問をすると、「微笑みの国」という言葉が出てくる。実際にガイドブックなどにも微笑みの国タイへ行こうといったものを目にすることができる。「タイ=微笑みの国」ということが定着していると言ってよいと思う。近年、日本人のタイ渡航者が増加したのと並行して、タイは「微笑みの国」というのと同様に「マイペンライの国」と言う人も出てきている。インターネットの検索サイトで「マイペンライの国」と入力し、検索すると、「タイ」に関係するページが出てくる。
 しかし、「マイペンライ」とあるが、いったい日本人はこの「マイペンライ」という言葉をどういう意味であると解釈しているのかと思う。私は大学でタイ語を勉強し、1年のタイ留学を経験してきたが、その中でもしばしばこの「マイペンライ」という言葉を耳にし、触れてきた。初めてこの言葉が持つ意味として覚えたのは「どういたしまして」だったが、この言葉は「気にしない」「何とかなるさ」「大丈夫」など文脈によって解釈の仕方が変化する非常に意味を沢山持った言葉であると思う。
 現在タイには昔よりも沢山の日本人が仕事、長期滞在先などとして生活しているが、果たしてこの人々はどのようにこの「マイペンライ」という言葉を使い、解釈しているのか疑問に思い、今回調査、研究をすることにした。この調査は以前に日本国語研究所の堀江・インカピロム・プリヤーが1996年~1998年に行った調査をもとにして執筆された「日本語と外国語との対照研究Ⅶ マイペンライ2」の2005年度版として対照研究したものである。
 2005年8月、9月の2ヶ月間に首都バンコク、チェンマイに住んでいる日本人72人とタイ人88人に前回、堀江・インカピロム・プリヤーがおこなったアンケートと同様のアンケートをし、その結果をまとめ、対照研究した。
 「マイペンライ」には沢山の意味があるので、実例1~16の実例を挙げ、各章ごとに友人間、先生と生徒の間、タイ社会、会社の中で、雇用主とメイドの間での「マイペンライ」の使い方について回答してもらった。この回答を元に、前回の調査や他の資料、私の経験を含めて日タイにおける「マイペンライ」の解釈の違いについて述べることにした。
 今回の調査では、前回の調査で項目としてあった「わからない」という項目をなくした。日本人の回答傾向として曖昧なことについて全て「わからない」と回答することが多く、「わからない」という回答ではより正確なデータが取れないと判断したためだ。その代わり、「その他」という項目があるため、もし本当にわからない場合には「わからない」を選択し、内容を答えられるようになっている。また、前調査ではなかった実例16を日本人のアンケートの中に設け、直接「マイペンライ」の意味を書いてもらうことにした。
 この論文により、日本人が「マイペンライ」の意味を少しでも理解し、タイでこの言葉を使ってくれることを私は願っている。また、「マイペンライ」の解釈の違いにより起こった誤解や疑問が少しでも解決できるきっかけになれば私はうれしく思う。



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