ガイドブックのガイド

CHIANG MAI & NORTHERN THAILAND(ガイドブック)


 発行:Lonely Planet Publications
 ISBN:1-74059-064-3
 価格:17.99USD


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チェンマイのガイドブック、CHIANG MAI & NORTHERN THAILANDの表紙写真 欧米の旅行者におそらく最も多く利用されていて、また最近では日本語版も刊行されているLonely Planet(ロンリープラネット)が、2002年4月に“ChiangMai & Northern Thailand”を上梓した。
 自分は、タイを本格的に旅行しはじめたころ、同社の“Thailand”を愛用していたのだが、それはこの本が単なる旅するためのガイドブックとしてだけでなく、タイの社会や文化を理解するための教科書としても十分使用に耐えるだけの非常に内容の濃いもので(当時は、ガイドブックを含め日本語で著されたタイ関係の書物はほとんどなかった)、読み物としてもとても面白かったからであった。そのタイランド編は、その後どんどん版を重ねて今ではとてもぶ厚いものになっているが、この“ChiangMai & Northern Thailand”も著者は同じジョー・カミングス氏で、それに負けるとも劣らぬ充実した内容の1冊に仕上がっていると言えるだろう。
 本書は大きく分けて、タイ北部の歴史や経済、宗教などについて解説した“Facts About Northern Thailand”、ビザや通貨、食べ物など旅をする上でのポイントを記した“Facts About The Visitor”、チェンマイと海外各地の往復およびチェンマイとタイ北部地域内を移動するための交通手段を詳細に説明した“Getting There & Away“と“Getting Around”、そしてメインのコンテンツである各都市・地域のガイドで構成されている。“Facts About The Visitor”のコーナーでは、女性、シニア層や体が不自由な人、さらには同性愛の旅行者に向けての個別アドバイスまで載っているが、特に現地でかかる可能性のある病気や旅の最中に遭遇することが多い危険(客引きや強盗など)に関する情報は、リピートトラベラーが改めて読んでも役立つのではないだろうか。
 各都市・地域ガイドは、チェンマイ市内、周辺部(チェンマイ郊外、ラムプーン県、ラムパーン県)、東部(チェンラーイ県、プレー県、ナーン県、パヤオ県)、南東部(ピッサヌローク県、スコータイ県、カンペンペート県、ペチャプーン県、ウタラディット県)、西部(ターク県、メーホンソーン県)に分類され、総ページ数はおよそ240ページにも及ぶ。しかも、日本の出版社が発行しているガイドブックとは異なり、写真が少なく文字は2段組なので、掲載されている情報の量は膨大だ。見どころや宿泊施設、レストランの案内以外にも、例えばチェンコーンのところでは“プラー・ブック(メコン大ナマズ)”、ラムパーンのページでは“タイの象”といった、その土地に関連する事象についてのコラムもあり、興味をそそられる。地図も、エリアガイドのコーナーの中だけで40枚近く用意されているほか、主要な地名や見どころにはタイ語が併記されているので、タイ人に道順などを聞く場合にも便利だろう。宿も、チェンマイは“Bugdet(経済的)”、“Mid-Range(中級)”、“Top End(高級)”と3つのレベルにランク分けされ70軒以上が紹介されている。
 “Thailand”は日本語版が出ており、そちらでもチェンマイと北タイで180ページ近くが割かれているので、チェンマイとタイ北部に限らずタイ全土を広く旅したり、英語がまったく苦手、という旅行者にはそちらの方が使い勝手がよいと思われるが、ロンリープラネットのシリーズで使われている英語はそれほどむずかしいものではない(おそらく、英語を母国語としていない人も使えるようにとの配慮からではないだろうか)し、地域が絞られている分軽くて持ち運びにも便利なので、チェンマイとタイ北部だけを旅する人にはこちらの方をお勧めしたい。ただし、著者がアメリカ人で欧米からの旅行者を主要ターゲットにして書かれているので、レストラン紹介はタイ料理の店よりも西洋料理の店の数の方が多いと思われるなど、日本人の旅行スタイルとは少々フィットしないところがあったり、この本に紹介されている宿に行くとそこは白人旅行者でいっぱい、なんてことに遭遇することもある、といったデメリット(?)もあったりするのはいたしかたないのかもしれない(かわりに彼らがタイを旅行する時の価値基準がかいま見えたりして、それはそれで面白いが)。
 旅のガイドブックそのものとしてはもちろんのこと、チェンマイおよびタイ北部の歴史や社会、文化理解を深めたいと思う人にとっても非常に利用価値が高いので、個人的にはぜひ一度目を通してほしい1冊だと思う。



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