フリーペーパー

PASZO'



チェンマイでNO.1のクオリティを誇るフリーペーパー“PAZSO'”の写真 A4変形版、というか正方形に近いサイズでオールカラーの、主としてチェンマイのトップエンド(最高級)クラスのホテルに置かれていると思われるフリーペーパー。

 チェンマイで発行されている数あるフリーペーパーの中でも、本文・広告ともにクリエイティブのレベルはナンバーワンと言ってもいいだろう。今、自分の手元にある最新号は2007年のVOL.3だが、落ち着いた色合いを表現できるマット系の質のよい紙を主に使用し、70ページを超えるボリュームがある。広告と本文の比率は、6:4もしくは7:3くらいで広告のほうが多いだろうか。
 自分がこのフリーペーパーを見かけたのは、ラチャマンカソフィテル・リバーサイド・チェンマイ(現ラティ・ラーンナー・リバーサイド・スパ・リゾート)の2ヶ所だけだが、ターゲットは必ずしもこうした最高級ホテルに宿泊する旅行客だけではなく、地元の裕福なタイ人も含んでいるようだ。と考えるのは、記事にはタイ語と英語が混在しているからなのだが、とても残念に思うのは、特集記事などが必ずタイ語・英語併記というわけではなく、タイ語のみのもの、もしくはほんの一部が英語になっているだけのものも多く、とても興味があって読みたい記事が掲載されていても(2007年VOL.3では、クルーバー・シーウィチャイと、ラムプーン県のリー郡が特集されている)、タイ語を読むことができないと写真を眺めることくらいしかできないという点だ。それでも、本文の中にあるひとつひとつの写真自体も質は非常に高いので、それを見ているだけでも十分楽しいのだが……。
 特集記事は、上記のようなもののほかに、レストランやインテリアショップなどの案内(おそらくその中の一部はペイドパブリシティ(記事型広告)と思われる)、料理のレシピやトラディショナルなタイ・スイートの紹介から仏教に関する記事、プラ・クルアン(仏像や高僧をかたどった、首からぶらさげるお守りのようなもの)の特集などバリエーションに富んでいる。
 一方、広告のほうは、このサイトでも紹介しているマハーナーガー(現在は閉店)、バーン・ロム・マイをはじめとした飲食店のものがおそらく量的には一番多いが、中でも目立つのはBuddy CoffeeやDoi Chaang Coffee Houseといった喫茶店の広告だ。これらのコーヒーショップは、この数年の間にチェンマイ市内にものすごい勢いで増えていて、自分としては明らかに過当競争ではないかと感じているのだが、どの店の広告のクリエイティブも似通ったカンジで、店そのものを含めなかなか差別化を図っていくのは難しいのだろう。
 ほかにおしゃれなインテリアショップ、ファッションブティック、美容院、ファンシーショップなどの広告が目につくが、はっきりと旅行者にターゲットを絞り込んだフリーペーパーにはたくさん掲載されているスパやみやげ物店などの広告は少なく、その手の店を探すとしたらあまり役には立たないだろう。
 巻末には、チェンマイ市内とメーリムやバーンタワーイまでを含んだ広域地図が出ているが、どちらもかなり簡略なもので、中にプロットされている観光スポットや店舗、ホテルなどの表記が、なぜか英語とタイ語混在しているため、普通の旅行者にとっては使いにくいカンジだ。また、地図のほかにも、チェンマイ発着の航空便およびバンコクとを結ぶ鉄道(特急列車のみ)の時刻表も掲載されている。

 チェンマイで発行されているフリーペーパーは、このコーナーで紹介しているもの以外も含めて相当の種類が発行されているが、ごく一般的な観光客がチェンマイ旅行の記念として、あるいは日本に帰国してから改めてじっくり眺めて楽しむために“持って帰ろう”と心を動かされるようなものは正直言ってほとんど見当たらない。そういった中で、この「PAZSO'」は、本文・広告ともに非常にクリエイティブの質が高く、たとえタイ語が読めなくても、パラパラをページをめくるだけでも十分に楽しめるもので、日本に持って帰ろうかな、という気にさせる1冊だ。これだけのハイクオリティのフリーペーパーを発行し続けるためには、経営的に相当な苦労が伴うことだろうということは想像に難くないが、個人的には、ぜひこれから先も生き残っていってほしいと思う。

 ちなみに、このフリーペーパーの名前の「PAZSO'(パーッソ)」は、カムムアン(チェンマイ語)で何かに対する肯定的な驚きを表現する時に発する感嘆の言葉で、日本語にすると「おや、まあ!」とか「へぇ~!」とかに相当するだろうか。
【2008年9月】



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